2011年06月24日

好き嫌いの問題!?

東京の街の中でも、下町らしい風景が残る場所もまだ少しはあるようです。
中野の小さな路地にも、そんなところがあって、舗装化は進んでますが、
ほっとするような風情を感じられます。
そんなところに、野良ねこさんがいたりすると、
なんだかとても絵になったりするのかもしれません。
野良ねこを、商店街のアイドルのようにしているところもある、と聞いたことがあります。
地域ねこ活動、というと
「そう、私、野良ねこが好きだし、ねこがたくさんいるような街がいいと思います!」
というような感想を耳にしたりもします。

でも!
私たちは、根本的には、野良ねこがいない街を目指しています。
そうあるべきだと思っています。

なぜなら、野良ねこたちは、本当に過酷な生活を強いられて、都会の限定された環境の中で、
命を削りながら必死に生きるしかない存在だからです。

春や秋の気候の良い時期に、気ままにひなたぼっこしている姿を見て、
のんきに楽しく暮らしている「感じ」はします。
でも、厳しい冬の寒さ、夏の暑さと戦い、豪雨や暴風のときも耐えるしかない。
エサをもらえるときもあるかもしれないかれど、次にいつ食べられるかわからない。
お腹がすいているときに限って、なにも見つからないかもしれない。
やっと口に入れることができた食べ物にも、水にも、ばい菌があるかもしれない。
自動車に轢かれるかもしれない。
いつ、怪我をしてしまうかもしれない。
具合が悪くなっても、本当に耐えるしかない。
その上に、他のねことのケンカになったり、人間から攻撃されたりすることもあるかもしれない(*下記参照)。

豊かな自然の中の野生動物だって、飼われている動物だって、私たち人間だって、
もちろん100%安全ではないし、
そんな危険と戦うこと、それが生きることともいえるけれど、
野良ねこたちの生活は本当に楽じゃありません。
人間に捨てられたために、そんな境遇になってしまう生き物をわざわざ増やす必要はないのです。
その上に、「迷惑」な存在になってしまうのなら、なおさらです。

好きとか嫌いの問題ではなく、
生きるものを大切に思いながら暮らせるようにすることは誰にでも必要なことのはず。
そのためにはどうするべきか、日々、よく考え続けたいと思います。

(*なお、動物愛護法で「愛護動物」に指定されている猫を遺棄・虐待することは、犯罪です。1年以下の懲役または100万円以下の罰金など、細かく規定されいています。)











posted by 猫と花地域環境ネットワーク at 14:00| 日記